カメムシ(椿象、亀虫)は、カメムシ目(半翅目)・カメムシ亜目(異翅亜目)に属する昆虫のうち、カメムシ科など陸生昆虫の総称である。
頭は先端が尖った三角形、前胸は左右に張り、翅に覆われた胴体は後ろすぼみになっているので、全体はおおよそ五角形の底を引き伸ばしたような形になる。
カメムシは、胸部第三節である後胸の、腹面にある臭腺から悪臭を伴う分泌液を飛散させる。この液にはアルデヒド・エステル・酢酸・炭化水素が含まれ、臭いの主成分はヘキサナールやトランス-2-ヘキセナールである。敵の攻撃など、外部からの刺激を受けると分泌され、捕食者に対しての防御であると考えられている。
カメムシの分泌液は、彼ら自身にとっても化学的に有害である。このため、カメムシの体表は、飛散させた液が自分の体にしみこまないように厚いセメント層で保護されている。
植食性の種には、栽培植物につくものがあり、農業上の重要な害虫が多い。イネの害虫として知られているのはアオクサカメ、クロカメムシ、ミナミアオカメムシ、コバネヒョウタンナガカメなどがあり、葉や茎から汁を吸うほか、若い籾から汁を吸われると、米粒が茶色になる。ミカンなどの果樹にはクサギカメ、チャバネアオカメやツヤアオカメ、野菜にはナガメやホソヘリカメ、ホオヅキヘリカメなどがつく。
下北半島では、秋にカメムシが大量発生すると、冬は大雪になると言い伝えられている。